バイヤー編。仕入れ・価格交渉・数字とのにらめっこ——売り場から始まる仕事の、ホントの話をします。
※アパレル店員として現場を経験し、店長を経て本部のバイイング部門へ異動する——というのが標準的なパターンとされています(転職系サイトの解説より)。もちろん、もっと早いケースもあります。
実はこれ、ぜんぶ「バイヤーに向いている人」の特徴として挙げられていることです。当てはまった人は、素質アリかもしれません。
海外出張は、ブランドや企業規模によって機会が限られます。多くの実務は国内の展示会めぐりと、売上データとのにらめっこが中心。
現役のセレクトショップバイヤー2人は、現地で実物を確認できなかった時期を振り返って「Zoom商談や生地スワッチだけで、想像でオーダーする機会が非常に多かった」「素材感も分からないし、フィッティングも分からない」と語っています。花形どころか、地道な工夫の連続の仕事です。
センスに加えて、交渉力・体力・精神的なタフさが必須とされています。向いている人の条件にも「分析力」「数字で物事を考えられる」が挙がります。
「感覚とデータの両方をバランスよく活かせる人材こそ、長く活躍できるバイヤーといえる」——セレクトショップ紹介記事は、そう指摘しています。センスは入口であって、ゴールではありません。
「就職後すぐにバイヤーになれるケースはほとんどない」と、複数の解説記事が明記しています。まずは販売員として現場を経験するのが前提。目安は3〜5年ほど現場を経験してから、本部のバイイング部門へ異動する、というのが標準的なパターンです。
もちろん幅はあります。大手小売業のアシスタントバイヤーへのインタビューでは「入社後はフロア担当として勤務し、1年半後にアシスタントバイヤーに抜擢された」という実例も見つかりました。早さは会社や本人の実績しだいで、一律ではありません。
なぜ正直に書くかというと——「センスだけで華やかにブランドを選ぶ仕事」だと憧れさせるだけの記事を、作りたくないからです。数字と向き合う地道さも含めて知ったうえで「それでもやりたい」が、いちばん強いスタートだと思っています。
バイヤーの仕事は大きく5つ。「商品の買い付け」「価格交渉」「商品管理」「トレンドリサーチ」「顧客分析」。マーチャンダイザーと売り場の戦略・予算を立てたうえで展示会やショールームを回り、商談・買い付けをします。決められた予算の中で、売れる商品を、売れる数だけ仕入れる——売上・利益に直結する責任の重いポジションです。
買い付けだけが仕事ではありません。「商品を売る際のコンセプトを、現場の販売スタッフや広報部門に伝える」という社内連携も、仕事の大きな比重を占めます。活躍の場もセレクトショップ、百貨店、EC、古着など一つじゃありません。
季節や流行などに応じて扱う商品が毎日変化することの面白さ。
バイヤーになると考えてもいなかったので(笑)。
服が良ければ売れる時代ではなく、人やスキルで売れる時代。