スタイリスト編。華やかに見えて、実は段取りと体力の仕事の、ホントの話をします。
※厚生労働省の職業情報サイトjob tag(令和6年度)より。
駆け出しのアシスタント時代は大変な世界——でも、続けた先にちゃんと実りがある仕事です。
実はこれ、ぜんぶ現役の先輩たちが入学前に思っていたことです。ここから、ひとつずつほどいていきます。
複数の業界メディアが伝えているのは、「ファッションセンスは勉強することで、後天的に身につけることができる」という話。センスそのものより、コミュニケーション能力や問題解決能力、そして地道な努力と人脈作りの積み重ねが、この仕事を続ける力になるとされています。
ある現役スタイリストは、この仕事についてこう言っています。「洋服屋さんとかケーキ屋さんと同じ、ひとつの仕事に過ぎない」。特別な資格もいりません。名乗った人から、始まる世界です。
ある現役スタイリストは「むしろ個人のお客様を相手にしている人の方が多い」と明かしています。芸能人担当は業界の一部にすぎず、仕事の大半は企画の打ち合わせ、衣装をブランドから借りてリスト化すること、現場でのサイズ調整やアイロンがけ、そして返却チェックといった地道な実務です。
ロケ撮影では、靴の底にテープを貼ったり、ペタンコのバッグにボリュームを出すための詰め物をしたりと、画面には映らない細かい工夫の連続。「ロケバスの移動は寝るもの」と思って生活していた、というアシスタント時代の証言もあります。
「センスより体力勝負」と言われるほど、実は肉体労働の一面がある仕事。大量の衣装を運び、一日中立ちっぱなしで撮影に立ち会い、終わってからは深夜まで返却準備をすることも珍しくありません。
「アシスタント時代は辞めたいの毎日」だったというある先輩は、後にこう振り返っています。「何回も何回も辞めたいって思うこともありましたが、辞めなくて良かったなーと深く思います」。
なぜ正直に書くかというと——夢だけ見せて入学してもらう記事を、作りたくないからです。それでも、「それでもやりたい」を選んだ先輩たちはいます。近年は、芸能人やメディアのためだけでなく、個人のお客様に似合う服をアドバイスする「パーソナルスタイリスト」という働き方も広がっていて、この仕事を切り拓いた人は「プロに任せるのではなく、自分で選び切れる時代へ」という次のビジョンを語っています。
スタイリストの仕事は、企画・打ち合わせの段階から参加してコンセプトを固め、複数のブランドから衣装を借りてリスト化し、現場ではサイズ調整やアイロンがけまで対応し、撮影が終わったら借り出したものを返却チェックする——1着を届けるまでの全部に関わる仕事です。
舞台もひとつじゃありません。テレビ・雑誌・広告など出演者個人のイメージ戦略に寄り添う仕事もあれば、商品の魅力を伝えるカタログ撮影、ECサイト掲載用の商品スタイリングもあります。近年は、芸能人向けだけでなく個人のお客様に似合う服をアドバイスする「パーソナルスタイリスト」という働き方も広がっています。
洋服屋さんとかケーキ屋さんと同じ、ひとつの仕事に過ぎない。
何回も何回も辞めたいって思うこともありましたが、辞めなくて良かったなーと深く思います。
毎日仕事がある事が当たり前だと思っていたアシスタント時代。でも…独立したら全て独り。
北海道札幌丘珠高校出身・2020年度専攻科ビジネスコース卒業生。卒業後、スタイリスト・石切山祥子さんに師事。スタイリストになれる日を夢見て、アシスタントとして忙しい日々を過ごしている。
きっかけは、在学中のひとつの授業だった。「ファッションを仕事にしたいとは思っていて、就職をどうしようかと考えていたときに、石切山さんが外部講師でドレメに来てくれたの。授業でスタイリストのお話を聞いて、私もやりたいって思ったのがきっかけかな」。その場で直接、石切山さんに弟子入りを願い出た。
スタイリストにどうやったらなれるのか、最初はわからなかった。そもそも札幌でスタイリストとして活動している人があまりいなくて、情報も少なかった。それでも石切山さんに、何度も何度も聞きに行った。「どうしてもなりたいんです」と。
今の肩書きは、まだ「アシスタント」。それでも、夢に向かって進んでいる最中——それもまた、立派なひとつの現在地だ。