マーチャンダイザー編。知名度は低いのに、アパレル業界の中では収入水準も比較的高いといわれる仕事の、ホントの話をします。
※2026年の調査データ(複数の調査のひとつ)より。アパレル業界の中では比較的高水準とされる職種です。管理職クラスになると600万円台に届く例も。ただし、新卒からいきなりこの金額になるわけではありません。
ひとつでも当てはまるなら——それ、実はMDに向いている人の特徴です。ここから、ひとつずつほどいていきます。
MDは「マーチャンダイジング(Merchandising)」の略。もとは「商品化計画」を意味する言葉で、企画から販売までを任される、アパレル業界の中心的なポジションのひとつです。
「知らない職種」であること自体が、実はチャンス。まだ知られていない、服好きの隠れた適職を見つけるチャンスとも言えます。
高度な数学の学力そのものは必須ではありません。求められるのは、売上・在庫・原価率・粗利益率などの「数字への抵抗のなさ」。エクセルで数字を追いかけ、比べ、判断する感覚に近いものです。
実際、商学部・経営学部・服飾学部・家政学部など、文系ルートからMDを目指す例も紹介されています。
現場の声として、「服が好きなだけでは務まらない」「感性と同じくらい分析スキルが求められる」と語られています。
服への情熱は大事な土台。でも、それだけでは足りなくて、数字を扱う力とセットで求められる仕事です。
なぜ正直に書くかというと——夢だけ見せて入学してもらう記事を、作りたくないからです。不安も現実も知ったうえで「それでもやりたい」が、いちばん強いスタートだと思っています。
MDとは「マーチャンダイジング(Merchandising)」の略で、もとは「商品化計画」を意味する言葉。ひとことで言うと、「どんな服を・いつ・いくらで・どれくらい作って(仕入れて)売るか」を全部決める、服の商売の司令塔です。呼び方は「ブランドの総監督」「アパレル商品の総合プロデューサー」など様々です。
意思決定の中身は、業界でよく「5適」と呼ばれます——適品・適時・適所・適価・適量。流れは、①市場調査・トレンド分析→②商品企画→③生産計画→④販売計画→⑤売れ行きを見ながら追加生産や値下げの判断、と続きます。シーズンの服は発売の約1年前から企画が始まっていて、常に何シーズン分もの企画が同時並行で動いているイメージです。
どんな商品を、いつ、いくらで、どのくらい売るか——。そんな「売れる仕組み」を考えて、数字と現場を動かすのがMDです。
感性と同じくらいMDに求められるのが、分析スキル。
計画通りに商品がたくさん売れた時は、めちゃくちゃ嬉しい!
服を"作る側"と"売る側"をつなぐのが、企画という仕事。ここで紹介する2人はMDそのものではありませんが、企画職として、服の商売を動かすMDと同じ地平で働いています。
札幌大谷高校出身・2017年度専攻科ファッションテクニーク専攻卒業生。在学中は「ACF ART STAGE」など道内のファッションコンテストで数々の賞を受賞。卒業審査会「:Dcreation」では、2016年度に優秀賞、2017年度は審査員特別賞を受賞。卒業後は大手アパレル企業に入社し、企画スタッフとして数々のアイテムをリリースしている。
高校生のとき、いくつかの学校見学でドレメを訪れ、作品のレベルの高さに圧倒されたという。放課後、先生や友達とおしゃべりしながらものづくりをする時間が「私の宝物」だったと振り返る。
卒業後、選んだのは企画の仕事。「仕事では自分自身でパターンを引くこともミシンを踏むこともないけど、やるとやっぱり楽しいんです」。モノを作るってワクワクする——その感覚は、今も変わらない。
北海道江別高校出身・2020年度専攻科デザイン専攻卒業生。在学中に数々のファッションコンペティションで賞を獲得した他、2020年度、卒業審査会「:Dcreation」で発表したブランド《Charmeray(シャルムレイ)》は優秀賞を受賞。卒業後は大手アパレル企業で企画職に就き、多くのアイテムを生み出している。
小学3年生の作文に書いた将来の夢は「ファッションデザイナー」。ドレメに入ってからはデザイン漬けの毎日で、提出したデザイン画を「もっとこうした方がいい」と何度も描き直しをさせられ、悔しくて意地になって描き直した経験もあるという。
卒業後は企画職に。チームでの企画会議に加えて、店舗に足を運んでお客様の様子を直接見たり、トレンドリサーチに出向いたりと、データだけでは測れない現場の感覚を大事にしている。今も苦労しているのは、良いデザインを「どう作るか」を人に伝えるプレゼン力だという。