これであなたもマーチャンダイザー?
#07|マーチャンダイザー編

「流行」を追い続ける
お仕事だって知っていた?

マーチャンダイザー編。知名度は低いのに、アパレル業界の中では収入水準も比較的高いといわれる仕事の、ホントの話をします。

MDの平均年収は
452万円
という調査データも

※2026年の調査データ(複数の調査のひとつ)より。アパレル業界の中では比較的高水準とされる職種です。管理職クラスになると600万円台に届く例も。ただし、新卒からいきなりこの金額になるわけではありません。

まず、これ。ひとつでも当てはまる?

ひとつでも当てはまるなら——それ、実はMDに向いている人の特徴です。ここから、ひとつずつほどいていきます。

高校生の「思い込み」、3連発。

思い込み 1 「MDって何の略?聞いたことない」 タップ
ホントは

MDは「マーチャンダイジング(Merchandising)」の略。もとは「商品化計画」を意味する言葉で、企画から販売までを任される、アパレル業界の中心的なポジションのひとつです。

「知らない職種」であること自体が、実はチャンス。まだ知られていない、服好きの隠れた適職を見つけるチャンスとも言えます。

思い込み 2 文系だし、数学が苦手だから無理そう タップ
ホントは

高度な数学の学力そのものは必須ではありません。求められるのは、売上・在庫・原価率・粗利益率などの「数字への抵抗のなさ」。エクセルで数字を追いかけ、比べ、判断する感覚に近いものです。

実際、商学部・経営学部・服飾学部・家政学部など、文系ルートからMDを目指す例も紹介されています。

思い込み 3 服が好き・オシャレなら、MDになれそう タップ
ホントは

現場の声として、「服が好きなだけでは務まらない」「感性と同じくらい分析スキルが求められる」と語られています。

服への情熱は大事な土台。でも、それだけでは足りなくて、数字を扱う力とセットで求められる仕事です。

知っておいてほしい3つのこと

  • 卒業してすぐ「MD」の名刺は持てません。まずは販売員・店舗スタッフとして現場を経験し、店長やMDアシスタント・生産管理・営業などを経て、早くても3〜5年ほどかけてMDになるのが現実的な道筋です。
  • お給料は、初任給の目安は月18〜20万円くらいから。MDの平均年収は450万円前後(2026年データ)で、アパレル業界の中では比較的高水準とされますが、新卒でいきなりその金額になるわけではありません。工場や取引先の都合で予定が崩れることも日常で、数字がはっきり出る分プレッシャーは大きい仕事です。
  • それでも——「計画通りに商品がたくさん売れた時はめちゃくちゃ嬉しい!」「指標がはっきりしている分、とてもやりがいを感じる」と語るMDは多いです。

なぜ正直に書くかというと——夢だけ見せて入学してもらう記事を、作りたくないからです。不安も現実も知ったうえで「それでもやりたい」が、いちばん強いスタートだと思っています。

そもそもMDって、服の商売の司令塔。

MDとは「マーチャンダイジング(Merchandising)」の略で、もとは「商品化計画」を意味する言葉。ひとことで言うと、「どんな服を・いつ・いくらで・どれくらい作って(仕入れて)売るか」を全部決める、服の商売の司令塔です。呼び方は「ブランドの総監督」「アパレル商品の総合プロデューサー」など様々です。

意思決定の中身は、業界でよく「5適」と呼ばれます——適品・適時・適所・適価・適量。流れは、①市場調査・トレンド分析→②商品企画→③生産計画→④販売計画→⑤売れ行きを見ながら追加生産や値下げの判断、と続きます。シーズンの服は発売の約1年前から企画が始まっていて、常に何シーズン分もの企画が同時並行で動いているイメージです。

先輩たちの言葉。

どんな商品を、いつ、いくらで、どのくらい売るか——。そんな「売れる仕組み」を考えて、数字と現場を動かすのがMDです。

MDとして働く人

感性と同じくらいMDに求められるのが、分析スキル。

未経験からMDになった人

計画通りに商品がたくさん売れた時は、めちゃくちゃ嬉しい!

現役のMD

マーチャンダイザーになるまでの道のり——ドレメの場合。

  1. 高校生いまここ 服が好き。それだけで入口には立てます。
  2. ドレメ 1年目ファッション総合学科 ファッションを総合的に学んで、基礎を身につける。全てゼロからのスタート。デザイン画・縫製・パターンメーキング・スタイリング・色彩・CG
    まずファッションの「全部」に触れる1年です。全部に触れてから自分の道を決められるから、「まだ何がやりたいか分からない」まま入学して大丈夫。むしろここで見つかります。
  3. ドレメ 2年目コース選択 3つの中から自分の希望するコースを選びます——デザインクリエイト(服を生み出す側)/パターンテクニーク(服を形にする技術の側)/ビジネスディレクション(服を伝えて売る側)
    企画やMDを目指すならビジネスディレクションコースへ。そして、ドレメ独自の一大イベント「:Dcreation(ディークリエーション)」で仲間とブランドを設立し、コンセプトからコレクションまで作り上げて発表します。学生のうちに「自分のブランドをやる」を経験できる、ドレメの心臓部です。
  4. 就職(まずは現場から) 販売員・店舗スタッフとして現場を経験しながら、MDアシスタントや生産管理・営業などで商品づくりの実務を積んでいく。
  5. MDへ 実績が認められたら。早ければ3〜5年ほどで。ブランドMD、EC MD、管理職——道は一本じゃない。

ドレメの、企画の先輩たち。

服を"作る側"と"売る側"をつなぐのが、企画という仕事。ここで紹介する2人はMDそのものではありませんが、企画職として、服の商売を動かすMDと同じ地平で働いています。

企画職 前川原由妃さん
企画
前川原 由妃まえかわら ゆき

札幌大谷高校出身・2017年度専攻科ファッションテクニーク専攻卒業生。在学中は「ACF ART STAGE」など道内のファッションコンテストで数々の賞を受賞。卒業審査会「:Dcreation」では、2016年度に優秀賞、2017年度は審査員特別賞を受賞。卒業後は大手アパレル企業に入社し、企画スタッフとして数々のアイテムをリリースしている。

高校生のとき、いくつかの学校見学でドレメを訪れ、作品のレベルの高さに圧倒されたという。放課後、先生や友達とおしゃべりしながらものづくりをする時間が「私の宝物」だったと振り返る。

卒業後、選んだのは企画の仕事。「仕事では自分自身でパターンを引くこともミシンを踏むこともないけど、やるとやっぱり楽しいんです」。モノを作るってワクワクする——その感覚は、今も変わらない。

「仕事では自分自身でパターンを引くこともミシンを踏むこともないけど、やるとやっぱり楽しいんです」
企画職 河野美友さん
企画
河野 美友こうの みゆ

北海道江別高校出身・2020年度専攻科デザイン専攻卒業生。在学中に数々のファッションコンペティションで賞を獲得した他、2020年度、卒業審査会「:Dcreation」で発表したブランド《Charmeray(シャルムレイ)》は優秀賞を受賞。卒業後は大手アパレル企業で企画職に就き、多くのアイテムを生み出している。

小学3年生の作文に書いた将来の夢は「ファッションデザイナー」。ドレメに入ってからはデザイン漬けの毎日で、提出したデザイン画を「もっとこうした方がいい」と何度も描き直しをさせられ、悔しくて意地になって描き直した経験もあるという。

卒業後は企画職に。チームでの企画会議に加えて、店舗に足を運んでお客様の様子を直接見たり、トレンドリサーチに出向いたりと、データだけでは測れない現場の感覚を大事にしている。今も苦労しているのは、良いデザインを「どう作るか」を人に伝えるプレゼン力だという。

「いくら良いデザインができても、それをどういう風に作るのかを説明できなければ商品化はできない」

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